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発酵紅参エキスに関する共同研究成果

サイエンス
2023.09.25

発酵紅参エキスにおける多糖成分の構造解析に関する共同研究成果

日本応用糖質科学会2023にて発表

 

株式会社ナガセビューティケァ(本社東京都中央区 代表取締役社長 三原康弘)は、2023年9月13日(月)~15日(金)に沖縄で開催された『日本応用糖質科学会2023』で東海国立大学機構 岐阜大学との共同研究成果を発表しました。

 

発表タイトル
「発酵紅参エキス由来多糖の構造解析」

 

【研究背景と目的】

 
オタネニンジン(高麗人参:Panax ginseng C. A. Meyer)は、免疫系、神経系、循環器系などに作用を示すことから、古くから薬用食用問わず幅広く利用されています。紅参は、オタネニンジンを皮付きのまま蒸して乾燥させたものであり、オタネニンジンに含まれるジンセノサイドや多糖類などの成分が加工により変化しており、からだへの各種作用にも影響を及ぼしていると考えられています。紅参を乳酸菌発酵(乳酸菌および酵素処理)した発酵紅参エキスは、紅参エキスに比べて免疫に対する作用が高いことが確認されています1)が、その成分変化について詳細は不明でした。本研究では、発酵紅参エキス由来の多糖の乳酸菌発酵による構造変化を明らかとすることを目的とし、科学的解析を行いました。

1)日本薬学会第141年会 発酵紅参エキスの免疫機能調節作用

 

【方法】

 
発酵紅参エキス及び発酵未処理の紅参エキスからアルコール不溶性残渣(AIS)を調製し、多糖画分の重量平均分子量、ウロン酸量、中性糖量の測定および単糖分析を行いました。

 

【結果】

 
発酵紅参エキス及び紅参エキスから得られたAISの分子量分布について、ゲルろ過クロマトグラフィーにより測定した結果、紅参エキスAISの主要ピークが発酵紅参エキスAISにおいてシフトしていたことから、乳酸菌発酵によってAISが低分子化していることが示されました。陰イオン交換クロマトグラフィーによって分離した画分について、ウロン酸量、中性糖量を測定した結果、乳酸菌発酵によりウロン酸量が減少することが示されました。また、単糖分析の結果、乳酸菌発酵により新たにマンノースが検出されました。

 

【考察】

 
発酵紅参エキスの多糖画分の構造解析結果により、乳酸菌発酵によって多糖が低分子化され、ウロン酸量が減少していることが示されました。また、乳酸菌発酵によって主にペクチン様酸性多糖の主鎖が分解されていること、並びに乳酸菌が産生する菌体外多糖(EPS)の存在が示唆されました(図1)。

【結論】

 
本研究において、紅参の乳酸菌発酵により、免疫に働きかける多糖成分の構造が変化することが示されました。こうした成分の構造変化が、発酵紅参エキスの免疫調節作用に影響を与えていると考えられます。今後も、発酵紅参エキスの成分と機能に関して研究を進めていきます。

 

<報道関係からのお問い合わせ先>

お問い合わせにつきましては、pr@nagase.co.jp まで

メールにてご連絡をいただきますよう、お願い申し上げます。

株式会社ナガセビューティケァ 広報担当 中澤

HPアドレス https://nbc.jp

 
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